物語の法則
難易度:
- 1. どんな人向けの書籍
- 2. 目次紹介
- 2.1. テーマを持つ
- 2.2. ”求めるもの”リスト
- 2.3. 重要な取引は何か?
- 2.4. 顧客との契約
- 2.5. 両極の対立
- 2.6. 『千の顔をもつ英雄』実戦ガイド
- 2.7. 英雄の内面的な旅路
- 2.8. 相互アクション
- 2.9. キャラクターの機能
- 2.10. キャラクターの代数方程式
- 2.11. キャラクターとテオプラストス
- 2.12. シノプスとログ・ライン
- 2.13. ウラジーミル・プロップのおとぎ話アプローチ
- 2.14. プロップのキャラクター
- 2.15. 環境的事実ー概論
- 2.16. 環境的事実(1)-日付
- 2.17. 環境的事実(2)-場所
- 2.18. 環境的事実(3)-社会的環境
- 2.19. 環境的事実(4)-宗教的環境
- 2.20. 環境的事実(5)-政治的環境
- 2.21. 環境的事実(6)-経済的環境
- 2.22. 環境的事実(7)-結論
- 2.23. ボードビルから学んだこと
- 2.24. ショーマンシップ
- 2.25. プロの映画脚本家になりたい人のための五か年計画
- 2.26. 映画会社は脚本に何を求めているか
- 3. 内容紹介
どんな人向けの書籍
ハリウッドメソッドを使った物語のストーリー創作とキャラクター創作を学ぶことができます。特に、『シーンとは何か』、『キャラクターとは何か』というのに悩んでいる方、ヒーローズ・ジャーニーを学びたいと思われている方にお勧めです。
目次紹介
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テーマを持つ
本書籍では、『テーマとは物語全体を統一する要素となっている何らかの人間の衝動や性質を言いあらわすひとつの言葉』であると定義され、物語とどのような関係になるのかなどが紹介されています。
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”求めるもの”リスト
『キャラクターが何を求めているのか』、キャラクターが持つ欲望について紹介されています。
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重要な取引は何か?
シナリオでは多くのシーンが出てきますが、シーンを定義し紹介している書籍は少ないかと思います。
しかも、シーンの表面的な定義はあっても本質を突いているものは中々見当たりません。本書籍では、シーンは”ビジネス取引”の場であると定義し、シーンで行われるべきドラマに関して紹介されています。 -
顧客との契約
ストーリーとは何かを紹介しています。
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両極の対立
ドラマは対立による葛藤を描くことになりますが、対立の作り方に関して『パルプ・フィクション』や『マディソン郡の橋』を例に紹介されています。
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『千の顔をもつ英雄』実戦ガイド
ジョーゼフ・キャンベの”ヒーローズ・ジャーニー”に関して紹介されています。
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英雄の内面的な旅路
ヒーローズ・ジャーニーのステージに合わせて、主人公の心の旅が紹介されています。
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相互アクション
『求めるもの』、『究極の対立』、『シーンは”ビジネス取引”の場』がどのようにドラマを生むのかが紹介されています。
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キャラクターの機能
ヒーローズ・ジャーニーで登場するキャラクターや、ウラジーミル・プロップが提唱したキャラクターを、キャラクターの原型(アーキタイプ)として紹介しています。
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キャラクターの代数方程式
キャラクターとは何かの定義をし紹介されています。
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キャラクターとテオプラストス
アリストテレスの弟子の一人であるテオプラストスが用いたキャラクターの素描(そびょう)集から、キャラクターをストックしておく方法に関して紹介されています。
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シノプスとログ・ライン
あらすじと1行でまとめることの重要性が紹介されています。
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ウラジーミル・プロップのおとぎ話アプローチ
プロップの”機能”とヒーローズ・ジャーニーのステージが比較され紹介されています。
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プロップのキャラクター
『キャラクターの機能』の所でも紹介されていますが、プロップのおとぎ話アプローチで登場するキャラクターの役割を掘り下げ紹介されています。
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環境的事実ー概論
物語の問題点に別の角度からアプローチするためのツールとして、物語の世界観に関して整理する方法について紹介されています。
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環境的事実(1)-日付
物語の動きだすときの、日、月、年などが物語にどのように関わるかが紹介されています。
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環境的事実(2)-場所
物語と場所がどのように関わるのかが紹介されています。
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環境的事実(3)-社会的環境
物語と社会的環境(生活集団)がどのように関わるのかが紹介されています。
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環境的事実(4)-宗教的環境
物語と宗教がどのように関わるのかが紹介されています。
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環境的事実(5)-政治的環境
物語と政治・権力などがどのように関わるのかが紹介されています。
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環境的事実(6)-経済的環境
物語とお金・経済がどのように関わるのかが紹介されています。
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環境的事実(7)-結論
『キューティ・ブロンド』を使って、物語の核心を見つけるまで、どのように著者が考えたかが紹介されています。
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ボードビルから学んだこと
ボードビルとは、全米やカナダの劇場を巡回し、ステージでショーをみせてくれるものです。ショーを楽しくするための取り組みからストーリーに活用できるノウハウを紹介されています。
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ショーマンシップ
A・R・K・O・F・Fの方程式が紹介されています。
A:アクション(動き)
R:レボリューション(革命)
K:キリング(殺し)
O:オラトリー(弁舌)
F:ファンタジー(夢想)
F:フォーニケイション(密通) -
プロの映画脚本家になりたい人のための五か年計画
夢をかなえるチャンスを増やすために日々どのような活動をするとよいかが紹介されています。
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映画会社は脚本に何を求めているか
映画会社がどのような観点でシナリオをチェックしているかが紹介されています。
内容紹介
【シーンとは何か】
書籍では、シーンとは『取引の交渉の場』であるそうです。
シーンの内容は、新たな取引に到達するための交渉であり、取引が成立すればシーンもそこで終わり、新しい取引がなければシーンもない。
小売店の仕入れ担当Aと洋服メーカーの販売担当Bの二人で考えた場合、取引はどうなるでしょうか?
Aさんは洋服を安く仕入れたい、Bさんは高く販売したいと考え、取引の交渉を行います。これがシーンとなるそうです。
シーンの終わりは、交渉の結果、Aさんが安く仕入れるか、Bさんが高く売るか、丁度良い価格で仕入れる、Aさんはあきらめるか、横槍が入り交渉が中断されるか、になります。
【キャラクターとは何か】
書籍では、キャラクターの類型として、ユングの原型(アーキタイプ)や、ウラジーミル・プロップのキャラクター、テオプラストス(アリストテレスの弟子)のキャラクター類型が、紹介されています。
テオプラストスのキャラクター類型は、面白かったです。
ネタとして溜めていくことができるので、コツコツ努力する人には向いているかと
書籍で一番わかりやすかったのは、
キャラクター = ①求めるもの + ②動き + ③障害 + ④選択
ではないでしょうか。
①求めるものが無ければ、ドラマは動き出しません。キャラクターが欲求を持つからこそ、葛藤が起こり、他者との競合が発生し、ドラマになります。
書籍では、求めるものの参考リストが掲載されています。
求めるもののためにキャラクターが②動き、多くの③障害が主人公には降ってきます。
ドラマに困ったら、キャラクターを苛め抜けと言われていますので、③障害は重要です。
③障害が起これば、主人公は何かしらの④選択を行います。
主人公の性格や考え方などで、④選択される内容は変わります。
【物語における環境とは】
書籍では、物語を考える上で重要な環境が6つ紹介されています。
他にも、世界へ影響がある環境要因としてPESTという考え方がありますので、ご紹介しておきます。
- P(Political:政治的環境要因):法規制、税制、裁判制度、批判、政治団体の傾向
- E(Economic:経済的環境要因):景気、物価、成長率、金利、為替、株価
- S(Social:社会的環境要因):人口動向、世論、流行、教育水準、治安・安全保障、自然環境
- T(Tchnological:技術的環境要因):技術開発、特許、新技術の普及度