映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと
難易度:
どんな人向けの書籍
うまいバランスでストーリー構成を作れない、物語に引き込むようなストーリー構成を作れないなど、構成に悩んでいる方にお勧めの一冊です。『ロード・オブ・ザ・リング』や『チャイナタウン』などの具体的な脚本でハリウッドの脚本制作技術(ハリウッドメソッド)を学ぶことができ、カードを利用したストーリーの作り方が紹介されています。
主題(テーマ)やストーリー、キャラクターをどのように考えるかなどを学べます。
目次紹介
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映画脚本とはなにか
3幕構成のストーリーラインに関して紹介されています。
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主題(テーマ)を作る
テーマを、アクション(行動)とキャラクターという観点から紹介されています。
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登場人物(キャラクター)を創造する
キャラクターの内面や外面をどのように考えていけばよいかが紹介されています。
①社会生活、②個人的人間関係、③プライベート、などの観点で考える方法が具体的に記載されています。 -
登場人物(キャラクター)を構築する
魅力的なよい登場人物を作るための4つの要素が紹介されています。
・登場人物は強力ではっきりした”ドラマ上の欲求”を持っていること
・その人独自の考え方、ものの見方を持っていること
・あるものに対する態度を体現していること
・何らかしらの変化や変身を遂げること -
ストーリーと人物設定
ストーリーに関係しやすくするためのキャラクター設定が紹介されています。
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エンディングとオープニングをつくる
物語の始め方と終わり方に関して紹介されており、最初の10ページをどのようにすればよいかが具体的な例と共に紹介されています。
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ストーリーの設定
『チャイナタウン』の最初の10ページを利用し、シーンやアクション、ストーリーに関して紹介されています。
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二つの事件は関連する
ストーリーに動きが生じる事件であるインサイティング・インシデントと、本当のストーリーが表に登場する事件であるキイ・インシデントに関して紹介されています。
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プロットポイントを見つける
三幕構成の変換点がプロットポイントになります。
『マトリックス』や『チャイナタウン』などでプロットポイントが紹介されています。 -
シーンを作る
シーンは大きく分類して、視覚的に何かが起こるシーン(アクションシーン)と、会話シーンだそうです。
『コラテラル』のシナリオを例に、会話とアクションを組み合わせたシーンがどのようなものか紹介されています。 -
シークエンスを考える
シーンの集合体であるシークエンスに関して紹介されています。
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ストーリーラインを構築する
カードを活用してストーリーラインを考える方法が紹介されています。
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脚本の形式を知る
アメリカのシナリオの書式に関して紹介されています。日本のコンクールの書式は巻末で紹介されています。
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さあ、脚本を書こう!
最初の10ページを書くのが一番難しいそうで、どのように書いていけばよいかなどが紹介されています。
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脚色する
小説(原作)との違い、演劇などを脚本化する場合などが紹介されています。
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共同執筆
二人以上で執筆する場合の役割分担などにかんして紹介されています。
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書き終えた後
脚本を書き直す事や所有権を明確にすることの重要性などが紹介されています。
内容紹介
書籍ではストーリーに関してかなりのページが割かれています。
特に3つのポイントが役に立つと思いました。
- プロットポイント
- インサイティング・インシデント/キイ・インシデント
- カードを使ったストーリーライン
プロットポイント
プロットポイントとは、話が展開する事件のことです。
ストーリーが始まってゴールに向かっていくまで、起承転結や序破急という形で、ストーリーが進んでいきます。
その時にオープニングからゴールまで直線だと面白くないと思います。
ゴルフでもレッグコースの方が楽しかったりしますが、ストーリーも同じように曲がっている方が面白いですよね、きっと。
ちょうど曲がる点がプロットポイントに当たります。
書籍では、ストーリーを考える順番として、
- エンディング
- オープニング
- プロットポイント1
- プロットポイント2
が良いそうです。
ゲームの場合は、このプロットポイントが8個~10個ぐらい存在する感じなのでしょうか。
映画の場合だと、プロットポイント1~プロットポイント2まで、だいたい60分ぐらいのようです。
インサイティング・インシデント/キイ・インシデント
インサイティング・インシデントとは、ストーリーに動きが生じる事件
キイ・インシデントとは、本当のストーリーが表に登場する事件
『ロード・オブ・ザ・リング』だと、
インサイティング・インシデントは、ビルボが指輪を見つけたこと
キイ・インシデントは、フロドが指輪を受け継いだところ
これ以外にも、『アメリカン・ビューティー』、『ショーシャンクの空に』などの映画の例が紹介されています。
ゲームやアニメなどでは、インサイティング・インシデントで主人公が無理やりその状況に置かれ、
何かの事件がキイ・インシデントととなり主人公が立ち向かっていく
みたいな話は多いような気がするので、ゲームにも使えるテクニックなのではないでしょうか。
カードを活用したストーリーライン
ハコ書きと同じようなものだと思いますが、カードを14枚用意し、カード一枚一枚にシーンやシークエンスのアイデアを書いていきます。
カードの作成は、簡単なアクションやリアクションの要約になり、セリフやト書きを書く感じとは少し異なります。
ですが、脚本を2時間の中でシンプルに纏め上げるためには、カードを使いストーリーを組み立てることは、とても効果的だそうです。
ストーリーを作るテクニックの一つとして、ゲームストーリーを考えるときにも使えると思います。