「物語」の組み立て方入門 5つのテンプレート
難易度:
どんな人向けの書籍
ゼロから物語を作ることに悩んでいる人におススメの書籍です。物語のパターンからプロットを作る方法が紹介されています。先生と生徒の会話のやり取りなどが入っているためか、難しい言葉が少なく分かりやすい書籍でした。
まだ、シナリオ関連の本を読んだことが無い方にも、入門の書籍としても良いかもしれません。
目次紹介
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前回の復習
円山先生の別著書『物語のつくり方入門 7つのレッスン』に関して簡単な紹介がされています。
『物語のつくり方入門 7つのレッスン』では、プロットや物語の材料の見つけ方などに関して紹介されているようです。(すみません、まだ読んでないので・・・)
プロットにはパターン(ストーリーラインと呼ばれる)があり、パターンを活用してオリジナルの物語を作る方法が紹介されているようです。 -
ジャンルと題材、そしてテーマ
ジャンルとは分類の仕方であり、この書籍では、物語の結末に注目した分類、時代に着目した分類、職業に注目した分類などで何が違うのかが紹介されています。
その中でもプロットのパターンがある程度決まっているジャンルがあり、次の章以降で紹介されています。 -
ディザスターもの
天災、厄災、思いがけない大きな不幸もののパターンが紹介されています。
天災、厄災などの出来事のアイデアが100個紹介されており、「災害系」「侵略系」などのカテゴリーに分類され解説がついています。ディザスターもののパターンは、
①主人公の周囲で異変が起きる
②主人公はその異変に・・・(自分から積極的に関わる)など
③異変がインフレしていく
④主人公は最終的に・・・(自力で異変を解決する)など
上記パターンで、生徒が実際に書いたプロットを読むことができ、円山先生が解説を入れています。 -
ラブコメディ
ディザスターものと同じ構成で、ハッピーエンドの恋愛を描いた物語に関して紹介されています。
ラブコメディのパターンは、
①男女が出会い、恋に落ちる
②2人は様々な障害を乗り越え
③最終的に結ばれる -
ヒーローもの
主人公に優れた才能や武器があり、その力で事件を解決するような物語に関して紹介されています。
ヒーローもののパターンは、
①何らかの特技または職業を持つ主人公のもとに、仕事の依頼、またはトラブルが舞い込む
②主人公は特技や職業上の知識を生かして様々な障害を乗り越え
③最終的に依頼された仕事を達成、あるいはトラブルを解決する -
バディもの
「相棒」ものの物語に関して紹介されています。
バディもののパターンは、
①主人公と副主人公が出会い、行動を共にすることになる
②二人は対立と葛藤を繰り返しつつ
③最終的に二人の間に硬い絆が生まれる -
サクセスストーリー
別名「シンデレラストーリー」であり、冴えない主人公が成功をおさめる物語に関して紹介されています。
サクセスストーリーのパターンは、
①ある日、主人公が夢と出会う
②主人公は、その夢に向かって歩き出す
③主人公は援助を得たり、困難を乗り越えたりしつつステップアップを重ね
④当初思い描いていた夢以上の成功をおさめる -
プロットを演出
読者に「面白い」と思ってもらうために、理解と感動を与える事が重要です。
ここでは、感動の演出の仕方に関して紹介されています。
また、感情移入ができる登場人物を作り出すためには、
①主人公や視点人物には普遍的な感情を持たせること
②主要な登場人物には折に触れて本音を語らせること
ではないかと円山先生は書かれています。
関連情報
似たような書籍として、「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術」があります。
同じようにパターンが紹介されていますが、こちらの書籍はプロットというより、ジャンルごとにキーとなる要素が紹介されています。
ディザスターものは、「家の中のモンスター」や「難題に直面した凡人」
ラブコメディやバディものは、「相棒愛」
ヒーローものは、「金の羊毛」
サクセスストーリーは、「金の羊毛」に近いと思われます
もしよろしければ、こちらも読んでみてください。