10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術
難易度:
どんな人向けの書籍
シナリオを書いたことがあり、「もっと面白くするためにはどうしたらよい?」と悩まれている方にお勧めします。ジャンルごとに最低限必要な要素が紹介されていますので、シナリオをもう一度見直す際に、その要素がちゃんと入っているかを見る、という観点でもとても良い書籍です。
前提知識として、三幕構成を理解している方が良いです。もし三幕構成を知らない方は、『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』を先に読むか、他のシナリオ入門書籍を読むことをお勧めいたします。
目次紹介
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イントロダクション
スナイダー先生が多くの映画を分析した結果、物語の構造(ストーリーライン)とジャンルごとにパターンがあることを発見した。
『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』で紹介されているストーリーラインに関して紹介されています。 -
家のなかのモンスター
『エイリアン』『危険な情事』『スクリーム』『ザ・リング』『ソウ』を例に、『家のなかのモンスター』パターンが解説されています。
各ジャンルごとに、各ジャンルで最低限必要な要素は何かが紹介されており、その後にその要素が各映画の中でどのように表現されているかが、紹介されています。
『家のなかのモンスター』は、ディザスターものであり、超自然的な脅威の前に人間はどうするのか?どうなるのか?生きて帰れるのか?が問われます。このジャンルを面白くするためには、
1.モンスターの存在
2.閉ざされた空間
3.罪
が必要です。 -
金の羊毛
『がんばれ!ベアーズ』『大災難P.T.A』『プライベート・ライアン』『オーシャンズ11』『そして、ひと粒のひかり』を例に、『金の羊毛』パターンが解説されています。
『金の羊毛』は、成長ものです。このジャンルを面白くするためには、
1.旅をするための道
2.主人公に欠けている部分を補う仲間
3.報酬
が必要です。 -
魔法のランプ
『フリーキー・フライデー』『コクーン』『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』『ハート・オブ・ウーマン』『エターナル・サンシャイン』を例に、『魔法のランプ』パターンが解説されています。
『魔法のランプ』は、教訓ものです。このジャンルを面白くするためには、
1.願い
2.魔法を成立させるためのルール
3.教訓
が必要です。 -
難題に直面した凡人
『コンドル』『ダイ・ハード』『愛がこわれるとき』『ディープインパクト』『オープン・ウォーター』を例に、『難題に直面した凡人』パターンが解説されています。
『難題に直面した凡人』は、トラブルもの?望んでいないトラブルに主人公が巻き込まれていくタイプもの。このジャンルを面白くするためには、
1.無垢な主人公(凡人じゃないだろ、と思う主人公もいますが、身体的でなく心理的な面で凡人であればよいのかもしれません)
2.突然の出来事
3.生か死か(存続か滅亡)
が必要です。 -
人生の岐路
『テン』『クレイマー、クレイマー』『普通の人々』『28DAYS』『ナポレオン・ダイナマイト』を例に、『人生の岐路』パターンが解説されています。
『人生の岐路』は、人生もの?主人公が弱い自分に目を向けて乗り越えていく成長もの?でしょうか。。。このジャンルを面白くするためには、
1.人生の問題
2.間違った方法で解決しようとする
3.主人公が変化する
が必要です。 -
相棒愛
『ワイルド・ブラック/少年の黒い馬』『リーサル・ウエポン』『恋人たちの予感』『タイタニック』『ブロークバック・マウンテン』を例に、『相棒愛』パターンが解説されています。
『相棒愛』は、バディものや恋愛もの。このジャンルを面白くするためには、
1.不完全な主人公
2.片割れの存在
3.主人公と片割れを引き離す複雑な事情
が必要です。 -
なぜやったのか
『大統領の陰謀』『ブレード・ランナー』『ファーゴ』『ミスティック・リバー』『BRICK ブリック』を例に、『なぜやったのか』パターンが解説されています。
『なぜやったのか』は、ミステリーものです。このジャンルを面白くするためには、
1.探偵
2.秘密
3.暗雲(秘密に近づき過ぎた為に起こる危機)
が必要です。 -
おバカさんの勝利
『チャンス』『トッツィー』『フォレスト・ガンプ』『キューティー・ブロンド』『40歳の童貞男』を例に、『おバカさんの勝利』パターンが解説されています。
『おバカさんの勝利』は、逆転劇ものです。このジャンルを面白くするためには、
1.バカ
2.権威(バカを批判する者達)
3.変質(バカが権威に勝利するための変化)
が必要です。 -
組織のなかで
『M★A★S★H★ マッシュ』『ドゥ・ザ・ライト・シング』『リストラ・マン』『トレーニングデイ』『クラッシュ』を例に、『組織のなかで』パターンが解説されています。
『組織のなかで』は、組織/グループの中に留まるか、敵対するか、逃げ出すか、の組織もの。このジャンルを面白くするためには、
1.グループ(組織)
2.選択
3.犠牲
が必要です。 -
スーパーヒーロー
『レイジング・ブル』『ライオンキング』『マトリックス』『グラディエーター』『スパイダーマン2』を例に、『スーパーヒーロー』パターンが解説されています。
『スーパーヒーロー』は、超人もの。人を超えたパワーを持つ者の苦悩の物語。このジャンルを面白くするためには、
1.特別なパワー
2.宿敵
3.呪い
が必要です。
関連情報
ストーリーラインに関して学びたい場合、シナリオ入門書籍を読んだことない方は、『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』を先に読むことをお勧めします。