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シナリオライティングの黄金側


構成



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どんな人向けの書籍

いきなり長いシナリオ(2時間の映画シナリオなど)を書くのが難しい、と悩んでいる方にお勧めです。
3行シナリオ(ショートプロット:60文字)から、200文字、1600文字、6400文字、48000文字(第1稿)へと拡張させていく方法が紹介されています。
ウラジミール・プロップなどの研究成果をベースに成功した映画やゲームから金子先生が考えられた物語構造(三幕構成)で、物語を考えていくことができます。

目次紹介

従来型のシナリオを知る

シナリオの由来、シーン、ト書きといったシナリオで出てくる用語が紹介されています。
この書籍では、ストーリー構築の手法を『ロット』として、シーンの映像描写手法を『ミザンセーヌ』について紹介されています。

ものがたりの本質を知る

物語に共通するルールとして、筋立て(ストーリーの展開)と描写(シーン)について解説されており、三幕構成、感情表現、テーマについて紹介さされています。

映像表現の歴史とシナリオ

描写の技術に関して、映像で何ができるのか、が紹介されています。
映像コンテンツはどうしても『見る』のに『時間』が必要となるため、この『見る』と『時間』が重要なポイントになります。

この章では、映像共通のシナリオ構造として、下記6つが紹介されています。
1.シナリオは「筋立て」(ストーリー)と「描写」(テリング)で構成される
2.三幕構成
3.描写はシーンとショットで成り立つ
4.筋立てはいくつかのロット(箱)にわけられる
5.ポイントとリマインダーがあること
6.主張と感情を入れる

プロットを作成する

プロットとは、「筋立て」(ストーリー)の因果関係を構成し、描写の方法を示して、内容を想像しやすくするための文章」と定義されており、プロットの作り方、発展のさせかたが紹介されております。

プロットには、
・ショートプロット
・ミドルプロット
・ロングプロット
・フルプロット
・シーン分けフルプロット
があり、これらのプロットを発展させていくことで、第1稿ができあがります。

ショートプロットは、ログラインとも呼ばれる内容で、
何が(誰が)、どのようにして(何して)、どうなる
という視点で考えます。

Lプロットをロットに分けフルプロットを作成する

映画をベースにしている場合、Lプロットは1600字前後となります。Lプロットには中心となるストーリーしか入れられません。
フルプロット(6400字前後)にするには、バックストーリー、サブストーリー、エピソードを入れていくことになります。
しかし、フルプロットは長いため、ロット(枠、箱)という概念を使って、Lプロットを拡張していくことになります。
この章では、ハムレットを利用して、ロットの具体的な紹介、拡張のしかたが紹介されています。

設定資料を整える

フルプロットになると、実際に映像として表現する描写部分を具体的に書き入れる必要が出てきます。
描写のための資料として、
・トリガー情報:ストーリーのきっかけ
・テーマ情報:統一的された目的(スタッフの考え方をまとめる目標)
・背景世界の情報:時代、社会、事件など
・登場人物の情報:主人公や犠牲者、敵対者など
・因果関係の情報:登場人物やテーマ、トリガーなどの関係性

フルプロットからシーンを作成する

本書では、シーンの役割を、
1.映像にする場所を明確に指示すること
2.展開するストーリーの時間帯を指示すること
3.展開するストーリーに必要な登場人物や背景を指示すること
4.視野や登場人物を動かし、台詞をしゃべらせることによってストーリーを進展と定義しています。

この章では、シーン(ミザンセーヌ)の作り方をハムレットを使って紹介しています。

ポイントを設定する

ポイントとは、シナリオの中に設定すべき各種のきっかけです。
3幕構成ですので、
・第1幕から第2幕に変換する『ロットポイント1』
・ちょうどシナリオの真ん中で切替/転換点になる『ミッドポイント』
・第2幕から第3幕に変換する『ロットポイント2』
・第1幕、第2幕で起こった問題、摩擦、事件を解決する『マルチプルソリューション』
が紹介されています。

リマインダーを設定する

このコンテンツは一体何なのか、何がテーマなのか、何を伝えようとしているのか、何が期待できるのか、などを思い起こさせるものが『リマインダー』です。
リマインダーは、台詞と動き、音と動きで表現されます。
ストーリーにどのようにリマインダーを入れていくと良いかが紹介されています。

分析・評価にもとづき、リライトをする

シナリオのチェックポイント、読み直し・書き直しの仕方に関して紹介されています。

シナリオアナリストがチェックしているポイントとして、
・ジャンル
・トリガー(ストーリーのきっかけ)
・ストーリーライン(物語の流れ)
・ベイシックエレメンツ(基本情報設定)
・ダイアローグ&アクション(台詞とト書き)
・ビート&タイミング(進行のリズムとタイミング)
・ストラクチャ(構成)
が挙げられています。



内容紹介

この書籍で紹介されている物語の構造(ロングプロットの構造)

第1幕
・普段の世界や生活
・破壊や事件
・犠牲の末、対決を決意

第2幕
・行動と苦境
・苦境抜け出しのヒント
・更なる苦境
・成長による解決の糸口
・しかし困難と試練が
・破壊へ一歩手前となり
・工夫により解決の予感

第3幕
・敵対者と対決
・障害の排除
・解決と満足



Posted by きゅぴま~る